オーナーには申し訳ないが、この店には紳士がよく似合う。
一輪挿しを、儚く、孤独に照らすライトが逆光となって、入り口正面のカウンターに座る背中は、実際よりも、数年は歴史を刻んだ背中に見えているだろう。しかしながら、横目に見る紳士は、なぜだか幸福に満ちた表情である。それは酒気によるものか ……それとも……。妄想を膨らませながら店内を見渡すと、英国の古いサロンのような趣きがある。
オーナーの高山氏の後ろには、ぎっしりと洋酒が並べられ、ほとんどが紳士の背中と同じように歴史を刻んだウィスキーとブランデーだ。その中でも、店名の由来ともなったカルバドスは、国内有数のコレクションを誇る 。「お勧めのカルバドスを。」と注文すると、高山氏は、二つのグラスにそれを注いでくれた。コルセットのようなブランデーグラスに注がれたカルバドスは、乙女のごとく、甘く優雅な香りを放ち、柔らかな感覚を残す。対してドレスのようなブランデーグラスに注がれたカルバドスはマダムのごとく、鋭く濃厚な味 わいが五感を揺さぶる。
グラスを置き、大きく深呼吸した瞬間、自分が隣の紳士と同じ表情になるのが分かった。紳士たちは、この淑女に出会うために、夜な夜なこの店を訪れる。寒い夜。独りの時間を作るための、最高の場所を求めるのなら、このもの言わず淑女と優殊なバーテンダーのいる秘密のサロンをお勧 めする。
店内は高山氏が大のお気に入りだった、今は無き、とある
カフェへのオマージュ。レンガ貼りの壁面の店内でグラス
を傾けていると、古城の地下室に居るような気分になる。
品揃えは、まさにお酒のアンティークショップ。年に一度
は休暇を取ってフランスの生産者のところまで買い付けに
出向かれるそう。日本でここでしか飲めない垂涎のボトル
がぎっしりと棚に並び、圧巻される。
一輪挿し越しに見える小さな窓の外の景色は二条通の銀杏
の木。二階なのに地下室で、地下室なのに窓が、、、この
小窓が高山氏の美意識の表れ
高山氏の最も敬愛するセラー、「エイドリアン・カミユ」の
100年物のカルバドスブランデー”ラリー”の絵は開店祝い
にお客様が書いてくださった宝物。
店内に見事にマッチしているアンティークのジョニーウォ
ーカー。京都にはこの額が飾ってある店が三軒あるらしい
ので、探してみては?
オーナーの高山氏は京都出身、学生生活を九州方面で過ご
し、京都に戻ってきて数年後にこんな素敵な店を作ってし
まった一見ジェントリーだが、かなり独自のこだわりを持
つ。名バーテンダーでありながら、京都の食通でもあるの
で京都の美食情報は彼に聞くと良いかも。
エレベータを降りて左手にシンプルなこのリンゴマーク。
扉を開けるとそこは二階の地下室への入り口が
Calvador カルバドール
京都市中京区妙満寺前町446 若林ビル2F
TEL 075-211-4737 OPEN 19:00~2:00
(火曜日は~1:00迄)水曜定休
PRICE
チャージ:300円
カクテル:1000円~2000円
シャンパン:1500円~
ワイン:1800円~
カルバドス:1000円~10000円over...
席数:カウンター9席 備考:シガーNG
(基本的に1グループに付き3人までの人数制限あり)
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